私が目覚めた時、周りが真っ暗だった。

(ん...。なんだろ、これ)

口元に触れると、ヌルリとした感触が伝わった。

指についたそれを、私は見ようと目を凝らすけれど、周りが真っ暗でよく見えない。


舐めてみよう、そう思って,舌を唇に滑らせる。

「血だっ...!!!!」

それは、とても懐かしい味だった。

私は夢中になって、唇が切れるまで舐めた。

ザラザラとした猫舌が、唇を滑る度、唇がピッ、ピッ、と切れた。

やがて唇からも血が噴き出し、血はとめどなく伝った。


そして、私をすこしずつ、快楽へと誘っていった...。