闇で暮らす少女

「止めてくださいよ、バレたら裁判官辞めさせられますよ?」

皮肉まじりに笑う。カルロスの顔が歪んだ気がした。


門の前まで来ると、急にカルロスが険しい顔になった。まだ何か隠しているのか?

「部屋が散らかってるんだ。少し待っていてくれないか」


どうでもいい。


「あ、散らかっててもいいですよ?いきなり言った訳ですし。ささ、入りましょうや」

「待て、と言っているんだ!!!」


なんだ、コイツ?そこまでこだわる理由は何?

私はばつが悪そうに見せ、はい、と言った。

するとカルロスは安心したように屋敷の門をくぐった。

******

しばらくして、カルロスが出てきて,家に案内してくれた。

「お待たせ。待たせて悪かった。」


なんだ、カルロスの腕に赤いものがついている。...コイツ...確実にコイツだ。


「いえいえ。…あれ?カルロス裁判長、腕に赤いものが…」

「えっ!?あ、あぁ…、こ、これは、ジャムだ。今朝、イチゴジャムのパンを食べたから。」

ふっ。苦しい嘘だな!!!!
「え?でも、先程は付いていなかった気が…。」

「今すこしつまんだんだ!」