闇で暮らす少女

「断らないってことは、良いってことですか?」

「あ、いや…」

「じゃあ、行きましょう!さぁ、道を教えてください」

かなり強引だったが、まぁいいだろう。

...こうでもしないと、連れて行ってくれなさそうだしな。

ふとカルロスを見ると、顎に手を当て,眉間に皺を寄せて、何かを考え込んでいた。


どう考えてもコイツが怪しい。もう少し、探ってみるとするか。


「…?裁判長…?どうしたんですか」


「ん?あぁ、いや。行こうか。」

しばらく歩き、立派な屋敷に辿りついた。

「着いたぞ…。此処だ」


「うわぁ!立派なオウチですね。羨ましいです。」


「いやいや、そんな…」


「ことありますよ!…もう一度聞きますけど、カルロス裁判長、本当にニンマのことを知りませんよね?」


ーーー正直、ここで『嘘だった。実は知っている』と白状すれば、許してやるつもりだった。

だけど、コイツは...。


「ああ、ないが?どうだ、そいつ、可愛いのか?」

呑気にそんなことを言いやがった。