闇で暮らす少女

3時を回った。

まだニンマは帰ってこない。

カチコチ、カチコチ...。

時計の秒針だけが、部屋に響いていた。


ニンマはどこかで拉致されているのではないか。アイツは可愛いし...。

モワモワとした予感が私を包み込んだ。

すると。

コンコン...。ノックだ。開けると、ニンマが立っていた。

「ニンマッ...!!!!」

私はニンマを抱きしめた。すると、ニンマからひどくビールの香りがした。あと...、汗の匂いと。

私は悟ったんだ。ニンマは、浮気をしたんだと。

「ああ、ムハルダ...!!!!」

ニンマが抱きついてきたが、怒りは静まらなかった。

「触るな!お前...浮気したんだろ!出ていけ!」

そして私は、ニンマを無理矢理家から出し、鍵を閉めた。

身体中が、燃えるように熱かった。


窓から外を見ると、ニンマは魂が抜けたように何かをブツブツと呟いていた。

カラカラカラ、と窓を開け、ニンマの言っていることを聞く。

ニンマは、

「カルロス裁判長、呪う。カルロス裁判長、呪う」

と、ずっと呟いていた。

「カルロス...裁判長?」

私は思い出した。そうだ。ニンマは最近、クリリアス法廷に移った。

___身体中の無数のキスマーク。キツすぎるビールの香り。

私は全てを悟った。