びっくりした。

まさか、盲点だった。


ニンマが、家事が出来なかったなんて。

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それからもニンマは、たくさんたくさんドジをして、私に迷惑たる迷惑をかけまくった。



それだけじゃない。ニンマは、床を共にしなかった。


私は勿論、愛するニンマと身体を結びたい。

でも、いくら誘っても、怯えたようにそそくさと寝室へ行ってしまうのだ。

今になって、ようやくベッドは同じになったものの...。



また、ニンマは本職が裁判官で、帰るのが毎日遅い為に、私のストレスは、日に日に強くなっていった。


そして私は...浮気をしたんだ。


ミカノという女性と。

本当はニンマに渡さなければならない『ハジメテ』を、私はミカノに渡した。

それから私は、あまり家に帰らなくなっていった。


その日も、ミカノとホテルで愛を囁きあっていた。


「ミカノ...。綺麗だよ」

「やだぁ、照れちゃう。ていうか、このキスマーク、消えないんだけど?」

「ごめん、ごめん。いやぁ、ウチでは許嫁がヤラせてくれないから...」

「えぇっ?その穴埋めがウチなのぉ?ちょっとガッカリなんだけどぉ」

「違うよ。今は君の方が...愛してるよ」

「ふふ、嬉しい!」

こんなふうにね。