私の名前は...ムハルダ。正式には、チュブラ=ムハルダだ。


さてと...。どこから話してゆこうか。

そうだな。では、私とニンマの話からしよう。


あれは、寒い寒い日だった。私は母親に連れられて、ニンマの家へ行ったんだ。


勿論、ニンマとのお見合いの為だ。

私とニンマは幼い頃からの許嫁だそうで、私は少しドキドキしていた。


そして、ニンマの家に着いた。

とても汚らしい家だった。だから、私は母親に言ったんだ。


「こんな家で、そのニンマという女が不細工だったならば、承知しないぞ!」


しかし、そんな心配はいらなかった。

「はじめましてっ、あたし、ニンマ!あなたは...何て言うの?」

目の前に現れたニンマは、とても愛くるしい顔をしていた。


特に、目がキラキラとしていて、しばらく見惚れたくらいだ。


お見合いが終わった途端、私は母親にすぐさま言った。

ニンマを婚約者にする、と。


その次の日から、ニンマとの同棲が始まった。


でも、すぐに支障は表れた。

ある日、私が牛乳売りを終えて帰ってくると、なにやら台所からガッチャーン、と音が聞こえる。


「どうした、ニンマッ!?」

「あ...。ムハルダさん...おかえりなさい」

「いや、『おかえりなさい』じゃなくて...。どうしたんだ?」

「えへへ...。オムレツ焦がしちゃって。そしたら、フライパン燃えちゃって...。慌てて火を消したら、お皿全部落として割っちゃいました...。」