闇で暮らす少女

「どこかで...夜を越さなきゃ」


周りを見渡すが...ホテルらしきものはない。

心細くて、涙が出そうになった。


それをグッと堪えて、また歩きだそうとした時。


「ニンマか...?」

いきなり、カルロス裁判長が出てきた。

さっきまで...いたっけ...?

...いやいや、何を考えているんだ。


「カルロス裁判長!どうしてここに?」

「いや、タバコが足りなくなったから、買い足しにね」

「裁判長がタバコ吸ってどうするんですか?...言いませんけどね!」


皮肉まじりにそう言ってやる。


カルロス裁判長は、ハハハと笑った。その笑顔にドキッとしてしまった自分がいて、恥ずかしくなる。


「ニンマはどうしてここに?」

「いえ...、ちょっと言えません。理由がどうしようもなさすぎて。けど...、今日は家にいれなくて...」

「そうかい。...そうだ、うちへ来ないかい?」

「え!だ、駄目ですよ...。恐れ多いです」


断ると、カルロス裁判長は、急に真剣な顔になった。え、なに...?