闇で暮らす少女

「ええ、ムハルダ!ねぇ、聞いてよ聞いて!」


「ああ、聞くさ。けど、ニンマ。靴を脱ぐ事と、私とのハグをわすれているようだが?」

「ごめんなさい。でねでねっ」

******

「へぇ。良かったじゃないか、いい先輩に巡り会えて!」

ムハルダは、あたしがクリリアス法廷に入ったこと、もう嫌がってないみたい。


前はすごく、嫌がっていたーーー。


『え!?クリリアス法廷だとっ!駄目だ、断るんだ!彼処は、クリリアス=カルロスという、悪徳裁判官がいる所だぞ!ニンマ、お前になんかあったら...。』


これも、愛されてるってことだけど...ね?


「じゃあ、ニンマ。そろそろ寝よう」

「ふぁ〜あ。そうね、眠くなってきちゃった!」

「じゃあ、おやすみ!」

「おやすみ、ムハルダ...。」


あたしはまだ、ムハルダと体は結ばれていない。

どうしても、決心がつかないのだ。


そしてーーー。

あたし達の愛はまだ、完全ではないからかもしれない。