私は気付いていた。

それが、幼い頃の記憶だとーーー。



ずぎずきと痛む頭を抑え、ベッドから降りる。


「嫌なこと、思い出しちゃった...」


鍋を見ると、シチューはもう冷めていた。
...冷製シチューも、なかなかいいかも。

見渡す。食器棚を発見。中を覗くと、丁度いいカップがあったので、取り出して、シチューを注いだ。

トクトク...トクトク...。ゴクッ...。

とても、美味しかった。

******

再びベッドへ転がる。不清潔なので、下着を取り替え、ランニング姿のまま、転がった。


ーーー孤独だ。


こんな時、傍にいてくれる人が欲しい。

大丈夫だと、お前は俺が守ってやると、たくましい腕で抱いてくれる人が欲しい。

ずっと友達だからね、と笑ってくれる人が欲しい。


今の私には、誰もいなかった。