〇月△日 (土)

『・・・ごめんなさい、藤くん。ちょっとお腹の具合がわるいみたい』

結城が言って、このオレが作った晩メシを残しやがった。ナニサマだ、バカ女。・・・と思ったが、演技できる頭もねーだろうし。

・・・ふざけんな。コイツの体調管理はオレの責任にされんだよ。

うんざりしながら溜息吐いた。
今日だけは許してやる。次はねーから、憶えてろ。





〇月△日 (月)

『なんかちょっと胃もたれっていうか、胃薬のんでもあんまり変わらなくて・・・』

オレの不機嫌全開に、さすがの結城も泣きそうなツラ。

あー、さっさと病院つれてくか。コイツ、今日は休みだろ。
若頭代理が出張の間にどーにかしねーと、帰ったらオレが殺される。カンベンしろっつの、ったく。

にしても、ムカつく。オレのメシで腹こわすとか。いや、ねーな。この女のことは全部分かってんだし。

つか、代理よりオレのが知ってんだよ。
テメーはもっと自覚しろっての。
オレがいなきゃダメなくせして。

『ごめんなさい』と『ありがとう』は聞き飽きてんだよ。バーカ。



たまには違うコト言ってみろ、・・・バカ女。