「織江ちゃん、ほらダーリンのお迎えよぉ、良かったわねぇっ」
満面の笑顔でわたしの肩をポンポン叩く由里子さんはかなり・・・相当ご機嫌だった。・・・明日になったら憶えてないんじゃないかっていう位に。
「えぇっ、うそ、織江さんの彼氏さん~っっ?!!」
素っ頓狂な声を上げる果歩ちゃんと、食い入るように見つめる野乃ちゃん。
渉さんは、上着の内ポケットから取り出した携帯灰皿に火を揉み消した吸殻を仕舞うと、ゆっくりとこちらに歩いて来る。
それなりにダークな色目のシャツとネクタイだけれど、お酒が入っている人達は特に何も気にしていないよう。
「・・・迎えに来たぞ」
わたしの前まで来た渉さんは、普段よりも少し甘めの声で淡く口の端を緩めた。
「・・・はい。有りがとう、ございます・・・」
全く状況が理解出来ていないのは当事者のわたしで。渉さんを見上げ、半分放心状態に。
「織江さんの彼氏さんってぇ、あのいつも迎えに来てる金髪の人じゃないんですかぁ?!」
ああ・・・横で果歩ちゃんが何か云ってる気が・・・・・・。
「・・・うちの織江がいつも世話になっているようで。これからも宜しく頼みます」
「は、はぁいっ、頼まれちゃいますぅ」
可愛く甘ったれた果歩ちゃんの声。
・・・・・・幻聴かしら。若頭代理の渉さんが、果歩ちゃんに敬語で喋ったように聴こえたわ・・・・・・。
「ハイハイ、じゃあ主役の王子サマも迎えに来たことだし、解散するわよぉっ。果歩ちゃん、野乃ちゃん、駅組はレッツゴー!」
『お疲れ様でしたぁ』
引率の先生のように由里子さんが号令をかけ、最後だけは皆の声が揃う。
残されたのはわたし達と。・・・牧野君だった。
満面の笑顔でわたしの肩をポンポン叩く由里子さんはかなり・・・相当ご機嫌だった。・・・明日になったら憶えてないんじゃないかっていう位に。
「えぇっ、うそ、織江さんの彼氏さん~っっ?!!」
素っ頓狂な声を上げる果歩ちゃんと、食い入るように見つめる野乃ちゃん。
渉さんは、上着の内ポケットから取り出した携帯灰皿に火を揉み消した吸殻を仕舞うと、ゆっくりとこちらに歩いて来る。
それなりにダークな色目のシャツとネクタイだけれど、お酒が入っている人達は特に何も気にしていないよう。
「・・・迎えに来たぞ」
わたしの前まで来た渉さんは、普段よりも少し甘めの声で淡く口の端を緩めた。
「・・・はい。有りがとう、ございます・・・」
全く状況が理解出来ていないのは当事者のわたしで。渉さんを見上げ、半分放心状態に。
「織江さんの彼氏さんってぇ、あのいつも迎えに来てる金髪の人じゃないんですかぁ?!」
ああ・・・横で果歩ちゃんが何か云ってる気が・・・・・・。
「・・・うちの織江がいつも世話になっているようで。これからも宜しく頼みます」
「は、はぁいっ、頼まれちゃいますぅ」
可愛く甘ったれた果歩ちゃんの声。
・・・・・・幻聴かしら。若頭代理の渉さんが、果歩ちゃんに敬語で喋ったように聴こえたわ・・・・・・。
「ハイハイ、じゃあ主役の王子サマも迎えに来たことだし、解散するわよぉっ。果歩ちゃん、野乃ちゃん、駅組はレッツゴー!」
『お疲れ様でしたぁ』
引率の先生のように由里子さんが号令をかけ、最後だけは皆の声が揃う。
残されたのはわたし達と。・・・牧野君だった。