「ほんとにもう大丈夫なんスね?」

 見咎めるような視線で牧野君は念を押す。

「・・・うん、ほんとに。心配かけちゃったのは謝るわ。ごめんなさい」

「いいスけど。・・・織江さんが元気なら」

 クシャリと前髪を掻きあげ、いつもの彼らしくボソッと呟きが返った。

「それと有りがとう。わたしが居ない間、牧野君が手伝ってくれたって聴いた。牧野君が居てくれて良かった」

 それは本心から。惜しみない笑顔を向ける。

「・・・来年の試験に向けて勉強中なんスけどね。これからも空いてる時間はシフト入るんで」

「ん。・・・宜しくね」

 仲間として。それ以上の感傷を込めずにわたしは小さく笑った。






「明後日の日曜は海鳴り亭で、織江ちゃんの復帰祝いやるわよぉ~っ」 
 
 由里子さんの一声に、全員異議なしの即決。

「ひさびさですねぇっ、このメンツっっ」

 果歩ちゃんがウキウキとした顔で満面に笑む。

「やっぱセルドォルは、こうでなくっちゃ!!」