「……やっぱりさっきの、やり直す」 「え、なに…?」 「耳かせ」 そうして私の耳に口を寄せて、一条くんが言葉を放つ。 今度はしっかり、ハッキリと、自分の気持ちを伝えてくれた。 嬉しくて嬉しくて、力を込めてぎゅっとしがみつくと、一条くんは不器用な手つきで抱きしめ返してくれた。