きっと、あの秘密のことでなにかあったんだと思った。
「そのくせ、学校にはちゃんと来るんだよ。気に入らないなら来なきゃいいのにってみんな言ってたなあ」
「………あ!」
そういえば、一条くんはあまり家にいるのが好きじゃないような態度を見せたことがあった。
きっとあれは、気のせいなんかじゃなかったんだ。
「中学卒業する頃にはもう、誰も一条に話しかけようとしなかった。別にイジメとかそんなんじゃなくて、一条がそれを望んでるから」
「そんな……」
「僕はそんな一条が気に入らなかった。自分も友達が多かったほうだからわかる。友達ってそんな簡単になかったことに出来る存在なのかって、心底軽蔑したね。みんな一条の人柄とかが好きで、それなりに信頼関係を築きながら友達やってたはずなんだよ。それをあいつは……」
今わかった。
早川くんは一条くんのことを嫌いなんじゃない。
ショックだったんだ。そんなことする人じゃないと思ってたから。
一条くんにどんな深刻な理由があったって、何も教えてくれなければ伝わらないのだから。
「だからこそ、そんな一条が心を開く子はどんな人だろうって、真子ちゃんに興味持ったんだよ」
「心を開くだなんて、そんなことはないよ」
「へえ。じゃあなんで一条と仲良くなったの?」
「それは……、内緒!」
「あはは!ずるいなあ」
早川くんが笑った。
やっぱり早川くんは、笑っているのがとても似合う。
その笑顔に救われた人は、きっとたくさんいると思う。

