『本当!?サンキュー!』



りっくんの、屈託のないくしゃくしゃな笑顔が頭に浮かぶ。



『うん!だから、頑張ってね!』



『おう!絶対勝つぜ!』



涙もとっくに引いて、もう明日から何があっても笑い飛ばせるや、なんて思っていた。



「律」



お母さんの、声がする。



さすがに怒ったかな?



「何?」



でも声は、どことなく震えていた。



「いいから、ちょっと下きて」



「は?」



返事をする頃には、もうお母さんの階段の降りる音がした。



『ちょっと、お母さんに呼ばれたから行ってくるね』



『おー』



今日は、これで終わりかな?



やだやだ。それは、なんか、やだ。



『ねぇ、すぐ戻ってくるから、待ってて』



なんで、やっぱまだ、立ち直れてない。


『いいよ!』


その返事を見て、携帯をベッドに放り投げて、リビングに向かった。