こんな私が、恋したみたいです。

「あのね、あのね、」



沈黙は、嫌だった。



背中からも先生からも送られる痛い視線を、せめて先生からぐらいは和らげたくて



とか言いながら、実は私はお喋りなのかもしれない



私は、アホで、バカだった。



悲しいって、寂しいって、それしか考えてなくて、それ以外の、今後起こるであろうことが、ほんとは容易に想像つくのに、つかなかった。



「神多は、口から生まれてきたみたいな子だったのに」



私をさらに泣かせて、どうするの?



「去年は、姿より先に神多の声が遠くから聞こえて、あー、Iの授業が始まるなーって感じだったのに」



何、この人。



「笑うことも、忘れちゃった?」


肯定も、否定もできなくて。



だって、Eでは普通に過ごせるのに、Iの空間に入った途端に、何もかもが憂鬱になる。