こんな私が、恋したみたいです。

りっくんよりも小さく言って、こっそりりっくんを盗み見た。




心臓が、飛び出そうだよ。




目を丸くして、私を見ているりっくん。





不安で緊張で怖くて、重ねられた手に力を込めた。




「りっちゃん!!」





「…へ?」




いつも見たいな、呑気で明るい声。





「だーいすき!」




ぎゅう、っと、私を抱きしめた。






「…苦しい」





「うん!好き!」





おそらく、もう私の声を聞いていない。




だけど、ちょっとくらい苦しい方が、たくさんりっくんを感じられる。





へへっ、嬉しいよ。相変わらず胸はドキドキしっぱなしだけど。






「…ありがとう」





名残惜しいけれど、その胸を引き剥がす。




改めてりっくんを見たら、やっぱりその顔は赤かった。




「りっちゃん、真っ赤だよ?」




私のほおを片手でつまんで、そんなことを言う。





「りっくんこそ。ゆでだこみたいだけど」





毒を吐いてる暇があるなら、可愛いことを言えばいいのに。





それが、できない。




そんなことできるほど、余裕がない。




「知ってる」





ニヤリと笑ったりっくんは、また私を抱きしめる。





「りっちゃん、だいすき」




耳元で、今度は囁くように。





「…もーやだ」




恥ずかしくて、死にそう。




ドキドキいいすぎて、心臓がどうにかなりそう。