こんな私が、恋したみたいです。

三階のゲームセンターは、どちらかというとスーパーについている子供の遊び場みたい。




「なんか、見てないうちに変わってるんだけど」




ヘラっと私を向いて笑って、掘り出し物があるかも知れないと言って、前を進む。




「乗る?」





「乗らないかな」





電車の前でそう聞かれても、私はそこまではしゃげない。




「んー、じゃああれは?」




「乗らないかな」




小さい頃に楽しんだものを眺めて、笑って懐かしんでいたら、一周していた。




「掘り出しもんなかったわ」





「楽しかったね」




「じゃあ次〜」





当たれ当たれ!とハズレなんかないくせに念じていて、私も当たれーと言いながら2枚のうち1枚を取った。





次で最後なのか、と少し悲しくなる。




「はい!あたり出ました!!」




「お、なんですか?」





「アイスです!」



「いいですね」




乱暴にビニールをポケットに入れて、私の手を引いた。





でたよ、気まぐれね。





いちいち、ドキドキなんかしたくないよ。





「どこのアイスがいいー?ここアイス屋入ってないんだけど」





「夢のとこ」




即答で、そういった。




「おっけ」




私の手を引く力が強くなって、りっくんのとなりに並んだ。





「今日は、後ろ歩く日なの?」




ちょっと怖いような、そんな笑顔。




「そう、なの」



俯いて、小さく答える。




顔が赤くなっちゃうの、バレちゃうから。




「ふーん」




「…怒った?」




「ううん」




いつも通りのニコニコりっくんに戻って、その代わりに握る手が強くなった。




「遠い?」




「ううん。この向かい」





すぐなのか、それならいいや、と恥ずかしいとなりも我慢した。





外に出るとやっぱりっくんは暑くて、一気に汗が出る。