それをみたりっくんはやっぱり笑う。





「ねえりっちゃん、寄り道しようよ」




ガサガサと、袋が擦れ合う音がした。





「アイス、溶けるよ」





りっくんだって、在庫を出してもらうほどアイスを買ってたでしょ。





「よくね?」




腹に入れば一緒だと自慢げに言う。






「ペペロンチーノ、冷めるよ」





「食えるし」





要するに、食べれればいいのか。





「怒られちゃうよ」




あやのちゃんにも、楓先輩にも。




まだ私は2人だから大丈夫。それに、許してくれそう。



だけどさ、りっくんは、





何人よ、責められるの。




「やめといたら。りっくん、明日こてんぱんにされるよ」




行きたくないとか、そう言うんじゃない。




いじりの名目で、ほぼほぼいじめみたいなことを先輩にされちゃうから。





「えー、りっちゃんと行きたいとこあるのに」






「うん」




嫌われたらどうしようとか、怒られるかもしれないとか、





そんなことよりも、頭から水をかけられるりっくんを見る方が嫌だった。




「じゃあ、明日の朝行こ!」




ジメジメした風が私たちの間を吹き抜ける。




「どこに?」





「秘密!6時集合ね!」




あまりに楽しそうな笑顔だから、私も笑って頷いた。



「6時ね」





何時に起きれば髪の毛を巻けるかな、なんて考えた。