「何頼まれた?」




私が降りたことを確認して、りっくんが歩き始める。





「りんごジュースとコーラとアイス」




「俺はね、こんな感じ」




私に携帯をみせてくれた。




「え、やばくない?」




「毎年こんな感じ」




携帯のメモ帳には、スクロールしないと見きれないほどにお菓子や飲み物が書かれていた。




「全員分?」





「そう。2年の誰かがいく決まりなの。伝統的な?」





「へぇ。それがりっくんなんだ」





ジャンケンにでも負けたのかな。





「りっちゃんと行けるかなーって思って」






「…え?」





「やったね!」





私にピースを向けてくる。





「やったね」




こんな大変な思いするってわかってて、自ら買って出たのか。




私と行けるかな、なんて、さらっと言わないでほしい。




コンビニに着くと、りっくんはまっすぐ飲み物コーナーに行く。




「りっちゃんの、先買っちゃって」




俺の重すぎるから、と私にいう。




自分の買い物をすぐに済ませて、会計をした。




アイスは、あとでね。





「読んでくれる?」




私に自分の携帯を持たせて、そう言った。




「あ、わかった」




「ポテチ、え、5個…?」




次元が違う。





「え、待って、パスタとかあるけど」




「あー、何パスタ?」




いやいや、真顔で言うなよ。




「ペペロンチーノ」





あんだけご飯食べといて、まだまともに食べるんだから、本当に膝まで胃袋があるのかもしれない。





カゴ2つ分いっぱいに物が詰まったところで、りっくんの分が終わった。





店員さんもたいそう迷惑な顔をしながら会計をすませる。




その間に、アイスを買った。





2人で並んで帰るけど、りっくんの分が重たすぎて、半分持ってあげようと思った。







ちょっと恥ずかしいけど、ビニール袋の半分に手をかける。






「俺、男なんだけど」




「え?」





「別にこんくらい平気だよ」





「あ、でも」



なんなら、それも持とうか?と言う。




「大丈夫!!」




2つの小さいビニール袋を守るように抱えた。