こんな私が、恋したみたいです。

「どうした?」





私を抱きとめてくれて、困惑した声で聞く。





「……どうも、してない」




この状況で何にもないなんていう方が無理あるけど。




「うん、わかった」





ベッドから降りて、椅子に座る橋森くんの上に座った。




今までで1番、近くにいるよ。




ドキドキが聞こえて欲しくないのに、もっと強くワイシャツを握ってしまう。




「ままと仲直り出来た?」




橋森くんの吐息が私の髪に触れる。




涙声を出すのも恥ずかしくて、ただ、首を振った。




仲直りどころか、もっと仲悪くなっちゃったかも。




そう思ってから、自傷だな、ともっと涙が出てくる。







「そっか、頑張ったね」




そう言って、優しく頭を撫でてくれるから、私の涙は止まらない。