こんな私が、恋したみたいです。

すごくすごく、気が乗らない。



「そーなの!良かったじゃん!」




嫌だなぁ、何を言われるんだろう。




何で来る気になったんだろう。





何の風の吹き回しだろう。





「良かった」




下を向いて、だけど少しだけ笑ってみせた。




「そうだな」





橋森くんは、私の頭をポンポンとしてくれる。





くすぐったくて、恥ずかしくて。



でも、やめてよなんてもったいなくて言えない。



「ねぇさ、橋森くん」




私は、聞きたいことがあるんだ。




「何?」




手を外して、私に向かい合ってくれる。





「橋森くんさ、私とラーメン食べに行ったこと、ある?」




あの夢は、橋森くん?





「…え?」




私は、なんて言って欲しいんだろう。




「覚えがないなら、いいんだけど」





違うって言って欲しい気もする。だけど、そうだったら嬉しい気もする。





「あー、ない、と思うな」




歯切れの悪い答え方だったけど、きっぱりとない、と言った。




「そっか」




じゃあ、あの人は何なのだろう。




私は、どこの誰と仲良くしていたのだろう。