こんな私が、恋したみたいです。

「じゃ!行ってくるね!!」



「楽しんできて」



もっちと手を振って、お姉さんに頭を下げて、走った。



あと30分しか面会時間がない。



『今着いたよ!』




エレベーターに乗りながら、そう送ったら、すぐに既読がついた。



よかった、起きててくれてる。




『はい!』




ストラップと同じ、なんだかわからないスタンプも送られてきて、ニヤニヤしてしまう。




ちょっと違和感な髪の毛を触りながら、病室の扉を開ける。




「あ!きた!」



りっちゃんは掛け布団を剥がして、こっちに来ようとする。




「いーから座ってな」



そう言って、俺がりっちゃんの横に急いだ。




「へへへっ。きてくれて嬉しいです!」



「うん。元気そうでよかった」



片手で髪をいじりながら、もっちのケーブルを渡す。



「充電器」



「ありがとうございます!もう充電無くなりそうだから」



俺に向けた携帯を見たら残りは2パーセントだった。



「間に合ってよかった」




そう、りっちゃんの頭を撫でようとして、やめた。