こんな私が、恋したみたいです。

「りっちゃんが思い出すのは、りっちゃんが大好きなりっくんだけでいいと思うよ」




「だろ」



「じゃあ、俺は会わない方がいいな」




目を伏せて、もっちはそう言う。



「かも」




「ま、そのうち退院して戻ってくるし」




「…うん」



それは、ないかもしれない。



多分もう、この校内でりっちゃんを見ることはない。



「なんだよ、文句ある?」




「全然ない!!りっちゃんに会うから部活後髪セットしてくれるでしょ!?」




「あー、いいよ。体育館のトイレな」




知らないふり、それで、終わったら言えばいい。




「わかった!!」