こんな私が、恋したみたいです。

「りっちゃんとだけの秘密」



言わないよ。だって、ここには俺ら以外にもいるから。




『なんでも?』




もっちに背を向けて、ひたすらに携帯に向かう。



『なんでも』




「お前まじでなんなの?」




もっちはかなりキレている。



悪いけど、ここでは言えない。




「俺は俺!」




『充電器が欲しいです!』




『わかった!俺ので良ければ』



モバイルバッテリーを今日貸して、明日、ちゃんとしたケーブルを持ってこよう。




うん、それがいい。



「ま、いいけど」





「そーゆーとこ、大好き!!」



携帯をしまって、また、もっちに抱きつく。




うるさい、と顔をしかめるもっちの耳に、顔を寄せた。




「まじでごめん。みんなのいるところじゃ言えない」



「え?」




もっちだから、教えるけど、不特定多数に聞かれるわけにはいかない。




狼狽えているもっちに笑っていたら、また携帯が震えた。




『全然いい!ありがとうございます!』




『うん。じゃあ、授業始まるから』



そう送って、もっちのトークを開く。




『りっちゃん、俺らの記憶消えてるから』



送ったら、すぐにもっちも携帯を見た。