こんな私が、恋したみたいです。

『大丈夫だから、気にしないで』


階段を駆け下りながら返信をして、ポケットにしまった。



「陸」


「ん?」




親の顔を見れば、随分とお怒りのよう。




「昨日あんた、どこ行ってたのよ」



「あー、ね」




電話したのか。めんどくさいな。




「忘れ物したから間に合うかなーって思って家戻ろうとしたら忘れてないことに気づいて爆走で学校戻ろうとしたら爆走しすぎて通り過ぎてたから戻ったらえらい時間かかった」




口からでまかせで訳のわからないことを言いながら、ご飯を掻き込む。



「アホなの?」



「うん、アホ。あと今日多分帰るの遅れるから!」




りっちゃんのところに行きたいから、ちょっと寄ろうと思う。



なんて、言えないけどね。



「なんで?」




「説教〜」



そう言って、りっちゃんに返信して、家を出た。