こんな私が、恋したみたいです。

「あーもう!」




もう、返さないつもりだったのに。





『うん』



でもきっと、もう返信は来ない。




『ママ帰っちゃいました』




そう、思ってたのに、よほど暇なのか、すぐに返信が来た。




『そっか』




返してくるなよ。嫌気がさすほど、自分が女々しい。




『もう学校ですか?』




『まだだよ』




こんなところで、りっちゃんのこと考えてうじうじしてるなんて、思ってもいないんだろうな。



『真っ直ぐ戻んないとダメですよ!サボりダメ!』
『来てくれたのは嬉しかったけど』




『うん、急ぐね』




携帯をポケットにしまって、公園の水道で顔を洗った。




涙の跡を消して、今のことは水ですべて流した。




「戻ろ」




チャリに飛び乗って、すっかり遠くなってしまった学校に向かう。




やっぱり、りっちゃんはすげぇや。こんなに俺をやる気にしてくるんだもん。