「りっちゃん今日、数II借りにきたけど借りれなかったじゃん」



「あー、うん」



「りっちゃんが教室戻ったあと、りっくんね、門口に数II貸してたんだよ」



ほんとに、他の友達と喋りながら横目に見てたけどアホなのかと思った。



「は?」



ほら、俺と同じ反応。



「りっちゃんだけ怒られるとか嫌だから貸してあげるーって」



だけど、道連れに自らなれるのは、すごいと思う。



「まじで?」



「まじで」



りっちゃん、こんなに好かれてるんだから、逃げちゃダメだよ。



多分、それは気づいてないんだろうけど。