こんな私が、恋したみたいです。

もっちは、私とは裏腹に笑ってる。



《ねえ、聞いて!》



「なに」



《めっちゃ面白い話思いついたの!》



「へぇ、どうぞ」



そんなどうでもいい話、聞いたって何になるかな。



暇つぶし?寂しさ紛らし?



意味ない。だって、朝になっても状況は変わらない。



《聞いてないっしょ!》



「聞いてるよ」




《もー、りっちゃん人の話聞かないんだからー》



「聞いてるってば」



《まー、クソどうでもいい話っちゃそうだけど》



「だろうと思った」



もっちは、笑ってるね。



《でもりっちゃん、泣き止んだっしょ》



「…あ」



ほんとだ、涙は止まった。



《よっしゃぁあ!俺の勝ちー!》



ガッツポーズでもしているのかな。とっても嬉しそう。



「やったね」



もっちの勝ち。私の、負け。



負けか。まただ。