こんな私が、恋したみたいです。

目を瞑って、知らないふりして。



だけど、瞼の裏に浮かぶのは、バカみたいに笑ったりっくんの顔。



りっくんはチャリを押してて、一緒に駅まで歩いてて、隣にいるのは私で。



私まで、バカみたいに笑ってる。



また逃げたくなって、瞼を開けたと同時に、携帯がなった。



電話がきた合図。



相手は、画面に広がる文字は、もっちだ。



「もしもし」



《やっぱり泣いてるー》



「…うるさいなぁ」