こんな私が、恋したみたいです。

「まぁ、嘘だわ」



「だよね」


私が笑っても、もっちは笑わない。


「りっちゃん、ちょっとおいで」



「んー?」



何かと思いつつも、もっちについていく。



たどり着いたのは、日陰の自動販売機の前。



生徒は誰もいない。



お昼前の最後の競技、クラス対抗リレーだから、みんな一応応援しているのだろう。



「なに、どーしたの」



こんなに真剣なもっちは初めてだ。



「ねぇ、今からすごいこと言うよ」


「うん?」



「りっちゃんは、誰が好き?」


「…は?」



意味が、わからない。



「誰が、好き?」



同じ質問を繰り返された。


「好きな人?」