こんな私が、恋したみたいです。

《りっちゃん部活で忙しいから来れないなって思ったんだよ!》



「遅れてでも来れる?っていつもは聞かれるんだけどね」



自嘲気味に笑ったって、私はもっちを困らせるだけ。



「…もっち!りっちゃんそれいけないわ!パスで!」



「…は?」



《いやお前頭狂った?》




りっくんが突然声を上げた。本当に突然に。



「これからりっちゃん、連日俺とのデートで予定埋まってっから!」



嘘丸見えの、バカみたいな理由に、思わず吹き出した。



それは、もっちも同じだったようで。



《りっちゃん大変だ。大忙し》



「精神が持たないかもしれない」



笑い飛ばせたら、なんでもよし。



ほんとに、りっくんは、ほんとに、場を和ませるのが得意だよね。