「媚びなかったら、さ」




「ん?」



「クラスみたいになるじゃん。また、ぼっちじゃん」




そんなのは、もう、懲り懲りだよ。



「部活だけ楽しみにして毎日頑張って学校来てるのに、それも、無しになっちゃうの?」



もう、何にイラついてるのか、自分でもわかんない。



「りっちゃ…」



人の言葉まで遮って、何してるの?



「これ以上まだ、私を独りぼっちにしたい?楽しんでる?りっちゃんかわいそーって言って近づいて、いい人ぶってる?」



あーもう、私、本当に最低。



「そんなんじゃないよ!」



謝りなよ。今なら間に合うよ。



「じゃあ、これ、何」



ほんとに、訳わかんなくて、ずっと繋いでるって約束した手を無理矢理ほどいた。



だめだ、落ち着け、私。


「りっちゃん」


手持ち無沙汰になった私の手。



「…ごめん」


もう、りっくんも怒ってるかな?怒らせたかな?



やだ、そんなの、やだ。



「ううん」



自分で友達減らしたくないって言ってるくせに、自分で減らして、どうすんの?



ほんとに、呆れるほど、バカ。



「気にしないで?ね!」


「…なんで」



なんで、こんなに、優しいの。



なんで、突き放さないの?



なんで、そんなに笑いかけてくれるの?