「…ねむ」



車内は空いていて、2人で座ることができた。



りっくんは、やっぱりそういう。



ほら、早く帰してあげたい。



「寝な。起こすから」


「…うん」



また手に力を込めたりっくんは、そのままだらんと首を下にした。



決めたんだ。ついさっき。



きっとりっくんをそのまま寝ぼけさせとけば、りっくんの最寄りのちょっと手前でバイバイしても、ばれないって。



そしたら、早く帰れるでしょ?



だから私は、携帯でりっくんの最寄りまでのルートを調べて、



うん、ここで降りよう。ここを、私の最寄りにしよう。