こんな私が、恋したみたいです。

トイレにちょっとだけ篭って、すぐに出た。



「おかえり!帰ろ!」



何かが、おかしい。



「え、会計は?」



「払っといたー」



「え、あ、でも、それは、」



「帰ろー」



また、私の手を握って、引いて、



「ねぇ、りっくん」



これが罠か。変なのに引っかかった。



でも、そこは私だって譲れない。



「じゃあさ、お返ししてくれる?」



「…え?」


言ってる意味がわからない。



「帰るまで、りっちゃんの最寄り着くまで、ずっとこーしててくれる?」



りっくんが掲げたのは、繋がれた私たちの手。