こんな私が、恋したみたいです。

「…やだ」



離さないでよ、どっか行かないでよ。



りっくんのワイシャツを掴む。



ちょっと笑ったりっくんは、私の手を握った。



「行こ?俺死にそー」



何気に2人分のカバンを持ってくれて、私の手を引く。



恥ずかしい。心臓が、鳴り止まない。



「何がいい?」



全部、私の言うこと聞いてくれる。



「りっくんが食べたいやつ食べたい」



「んー、じゃあー」



改札を出て、周りを見渡して、



「あそこー」



指差した、ファミリーレストラン。



「ん、いーよ」



「やったぁ!ハンバーグ食いたいー」



嬉しそうにはしゃぐから、可愛くって、笑みがこぼれた。