こんな私が、恋したみたいです。

「ん?」



「なんで、着いてくんの?」



「だって、ほっとけないじゃん」



ホームの端っこの、ほとんど人がいないところまで来て、



りっくんは自分のカバンを地面に置いて、それを均して、



「座りな」



りっくんから座る。私の分も、空いていた。



「うん」



涙はちょっぴり引いていた。




私がそこに腰掛けたとたん、視界が遮られる。



「泣きたいだけ、泣けばいいよ」



抱きしめられてるんだって、気づくのに時間はかからなかった。



「だーれも、見てないから」



心地いいリズムで、私の頭をなでてくれる。



「りっ、くん…?」



その声が、聞きたくて、



「んー?」



聞けて、嬉しくて、



「なんでも、ないよ」



「そかそか」



ちょっと笑いが混じった声だった。



「腹減ったなー」



「…だね」



何時だろう。どれくらいこうしてるんだろう。



「なんか、食いに行くか」



そう言って、私を離そうとする。