こんな私が、恋したみたいです。

そのまま、お互い1点も入れさせずに後半に突入。



向こうも全力を出してくるだろう。やっぱり、優勝なんてむりなんだよ。



「りっちゃん、氷変えて」




氷が溶けてただの水になったビニールを私に渡してくれる。



「おけよ!」



急がなきゃ、りっくんが待ってる



「はいどーぞ」



髪の毛散らして、めっちゃ急いでりっくんに氷を届けて、またバンテージを巻く。



「いい感じ?」



「いい感じ!あと水も取ってほしい!」



きっと、側から見たらりっくん何様って感じなんだろうけど、


全然いい。だって、りっくんはアホみたいに頑張った。



「このオフェンス終わったら、俺でるから」



そんな、バカなことを、フィールドを見つめて言い出す。



「は!?なに言ってんの?今日はもうだめでしょ!」




「出るの!勝たなきゃじゃん!りっちゃんのじいちゃんのために勝たなきゃじゃん!こんぐらい大丈夫だもん!」



「りっくん頑張ったから!2回もゴールしたじゃん!もう十分だよ」



「やだ!出る!俺が怪我してその上負けたら、またりっちゃん鬱ぎ込むじゃん!だったら勝つしかないじゃん!」



「私のことは気にしないで。大丈夫だから。りっくんがこれ以上悪化したほうがいや」



もう、負けてもいいから



次、勝てばいいじゃん