すぐには出ない蒼汰。

緊張が高まる咲良。

「もしもし。」

予想以上の元気な声に驚いた。

「もしもし、おはよう。」

「おはよう。」

眠たそうにしているかと思ったけど、
朝早いのに慣れているのか、
蒼汰は普段通りの声だった。

「ありがとね。さき。」

「え?」

「ん?俺いま、なんて言った?」

「さきって呼んだよ。」

「寝ぼけて、間違った。」