斉藤はるかの家の寝室に入ると、そこには上田くんとベッドに横になる斉藤はるかがいた。
「あ、瀬戸。よく来た」
「ちょっと上田くん。瀬戸先生でしょ?教師に向かって、なめた口聞いてんじゃないわよ」
「俺の手土産のりんご剥いてこい。やっぱ、病人にはりんごだろ?」
「話を聞け。クソガキ」
私は上田くんに無理矢理りんごの入った袋を握らされた。
私は文句を言いながらも、キッチンに向かった。斉藤はるかのために、このくらいのことはしてあげたかった。
「やっぱり、私のせいだよね?」
私にキスをして風邪が移ったのならあいつの自業自得だけど、私を一晩中看病したせいで風邪を引いたならとても申し訳ない。
