私はドキリとした。まさか、私と斉藤はるかがキスをしてしまったこと知ってるの?
「俺、あの雨の日はるかと一緒にいたから」
・・・・なんだ、そういうことね。
私が雨でずぶ濡れになって風邪を引いて、一緒にいた斉藤はるかにも風邪がうつっちゃったと思ってるわけだ。
そして、私が安心したところで玄関のドアが開いた。
「先生。お疲れ様です☆」
中からはうちのクラスの綾野くんが出てきた。
綾野くんは私に唯一敬語を使ってくれる礼儀正しい子だ。
「ひなから先生が来ることは聞いてます。どうぞごゆっくりしていってくださ~い」
