「意外に熱心だな」
「学年主任に頼まれたんだから、仕方なくてしたのよ。あんた達がしないから・・・、いや、私が悪いんだけど・・・」
「で、何してんの?」
俺は尻餅をついたままのその女の隣に座って、じっとその女を見つめた。その女は泣きそうな目をしていた。
この女がこんな表情をするときは・・・、あのホストが原因に違いない。
すると、その女は情けなく震えた声で言った。
「指輪・・・無くしちゃって、」
ほら、やっぱりあいつがらみ。俺はその女がつまりながら話すのを黙って頷きながら聞いた。
「軍手して草抜きしてたんだけど・・・・、多分、無くしたとしたら、・・・ここかもって、」
だんだんと声が弱々しくなり、その女からついに涙がこぼれた。震える下唇を噛んで、これ以上涙を流すまいと耐えている。
「ずっと探してて・・・、大事なものなのに無くしたなんて、嫌われちゃうよ・・・っ、」
この女のこんな顔なんか見たくない。ホストの彼氏を思う気持ちがひしひしと伝わってくる。
