俺はいるはずがないと思いながらも、運動場や体育館周辺を見に行った。
そこを探してもいないなら、入れる入り口を探して校内に侵入するしかない。
連絡先を交換した女子高生からは連絡が来ないから、まだ教師は見つかってないんだろう。
あの女が事件に巻き込まれたとは、考えたくない。内心、凄く心配をしていた。
すると、体育館裏でごそごそと動くなにかを見つけた。猫にしては・・・でかい。
「おい」
「ぎゃっ!」
そのなにかーー女教師は、俺の声に驚いて尻餅をついた。
声をかける前のその女の様子は、泥だらけになりながら、何かを探しているようだった。
「草抜きでもしてんの?」
「ちょっと、あんた達、外庭掃除来なかったでしょ!私一人で綺麗にしたんだからね」
