俺はタクシーを拾って、その女と一緒に乗った。
その女は戸惑っているみたいだが、俺は面倒臭くて話しかけはしなかった。暫く、沈黙が続いた。
タクシーの運転手に学校で下ろしてもらうと、俺は運転手さんにこの女を送ってもらうように言って、その女に一万円札を渡した。
「自分で払うから、いらない」
「あっそ。知るか」
俺はその女を無視して、学校の塀を乗り越えた。学校にいるかは分からないけど、探すしかない。
校内は施錠されていて、入れなかった。あの教師も職員室などを施錠される前に警備員に追い出されただろうから、校内にはいないだろう。
なら、外か?あいつ部活の顧問とかしてたっけ?
