「瀬戸先生。学校は慣れましたか?」


「いえ、それがまだ・・・」






私がこの学校に来て、3年生の担任を持って一週間が経過した。

この学校は今年から共学になった学校で、今の1年生の男子と女子の比率は5対1で、2年と3年生は勿論男子しかいない。

そのために、私は今のクラスに少しだけ苦戦している。



女子がいれば、男子だって女子の目を気にしてかっこつけるだろうし、優しくなると思うんだけど・・・・男子ばっかだと、どうもやりたい放題だ。









「先生のところは、“あいつ”がいますしね。そりゃ、大変だ。なにかあったら、僕に相談してくださいね」


「・・・あいつとは?」


「ほら、トップ3に入るホテル業界の社長のご子息の“斉藤はるか”のことですよ。あいつの親にびびって、もう誰も文句は言えません。現に何人ものあいつのクラスの担任が学校を辞めました」




まさか、斉藤はるかがホテル業界の社長の息子だとは・・・





体育の教師の鈴木先生は、斉藤はるかが起こしてきた問題をぺらぺらと私に一生懸命話している。


斉藤はるかがしてきたことは、私には確認のしようがないからなんとも言えない。