今日は母親が勝手に企画した、お見合いに来ていた。











ーーー「行かなかったら、ばらすわよ?困るのはあちらの方よ。生徒に手を出すなんて犯罪だもの」












そう言われた以上、来るしかなかった。俺の母親の言葉は単なる脅しではない。本気だ。



しかし、俺が卒業し、あいつと生徒と教師の関係が終わるまでの辛抱だ。後三ヶ月もない。



















「はるかさんの、ご趣味は何ですか?」

「特にない」











俺が素っ気ない返事をする度に、なんとも微妙な空気が流れる。このまま向こうから断ってほしい。














それから、しばらくお見合い相手の箱入り娘と二人きりで庭の散歩に行かされた。



着物でゆったりと俺の後ろを黙ってその女はついてくる。俺はため息をついて、その女に言った。













「悪いけど俺、あんたと婚約するつもりないから」


「私の名前は山城ゆめです。あんたじゃなくて、ゆめと呼んでください」


「俺の話聞いてた?」


「好きなかたがいらっしゃるのですか?」

 









えらくマイペースなお嬢様だ・・・・。



俺はため息をついて頷いた。