「・・・・じゃあ、私はそろそろ帰ります」






二人の家に来ることを以前から誘われてはいたが、再婚相手の女の人と実の父親が夫婦のように接する姿を見るのが私は少し照れくさかった。


私にとってその女の人は、お母さんではなく、お父さんの彼女。二人の関係は私から見ると夫と妻というよりは、男と女。




しかし、もう私は多感な思春期の女の子じゃないんだから、しっかりと現実を受け止めるべきだと、やっとの思いで今年は大晦日に二人を訪れたが、案外二人はバランスのよい夫婦に見えた。












「なつこちゃん。泊まっていかないの?」


「・・・・すみません。ちょっと、」


「あら、残念。・・・・もしかして、彼氏さんかしら?」


「え?や、「なんだとっ、初耳だぞ」







お父さんは元ホストのくせに、昔から男関係にはうるさい。それに、私の成長をあまり側で見てきていないせいか・・・・いつまでもお父さんの中で私は子供のままだった。









「男っていうのはな、」




・・・・また始まった。男は狼論が。