すると、真緒は暗い顔をした。






「真緒がお兄ちゃんの幸せ壊しておいて、彼氏なんか作る資格ない」











真緒は女教師と兄の仲を引き裂こうと謀った。実際、それが原因で二人は別れた。

そして、そのこともあって、女教師は俺に気持ちが少し傾いた。



もしも、真緒が二人の邪魔をせずに、二人があのまま結婚したなら・・・・そう考えると複雑な気持ちだ。俺にとっては辛いかもしれないが、あの女教師の気持ちは?

それに俺が二人の仲をさらに邪魔しているのかとも思う。俺はアメリカに行ってしまうのに、あいつを自分の側に置いておきたいってわがままだ。





 




・・・・なーんてぐだぐだ考えても、らちが明かない。

そんなの俺らしくないし、俺が悩んでてどうする。ただでさえ、女教師が年下の学生の俺を頼りづらいのに。

 







「はるかさんは、・・・・どう思ってる?」

 

  






俺の気持ちは既に決まってる。









「真緒やホストや女教師は今回のことで傷ついたかもしれない。だけど、こうなったことはうだうだ言っても仕方ない。

俺が少なくとも女教師のことは、幸せにするから。


結果、俺を選んでよかったって思えるような男になるために、まず俺はホテル経営を学ぶためにアメリカに行き、そして後に会社を継ぐ。それが俺が出来る唯一で、大きなことだ」