まさか見られていたとは思わなかった。






「先生と鬼ごっこしてるはるか先輩を向かいの廊下の窓から見かけて、不思議に思って尾行したんですよ」






ふーん、なるほどね。俺はあくびをした。










「はるか先輩が卒業するまでばらされたくなかったら、条件があります」


「・・・」


「私と付き合ってください」


「無理」






俺は即答した。女は目をぱちくりとさせた。










「あんたさ、ホテル業界トップ3に入る社長の御子息を脅迫するつもり?」






俺はその女にじりじりと近寄り、壁に追い詰める。















「俺を敵にまわす覚悟あんの?」










俺はその女を至近距離で睨み付けてそう言った。







残念ながら俺は、使える権力は使う主義だ。