「じゃあ、私のことは知ってます?」





すると、いきなり一人の女が会話に入ってきた。



その女はミディアムのサラサラの黒髪のワンレンで、目がぱっちりとしていて、顔も小さく、薄くピンクに唇が色づいていて、誰もが認める美少女だった。そして、ニコリと浮かべた微笑みは自信に満ち溢れていた。










「は?一番に覚えたから!今売れっ子読者モデルの早野ゆりちゃんだろ?!なかなか学校で見かけなくて、これで絡むのまだ2回目!!」


「売れっ子だなんて・・・・まだまだです!でも、私のこと覚えてもらってたなら嬉しいです!」


「いや~、こんな可愛い子見たことないって!一度見たら絶対忘れねーし!」


「そんな・・・・ふふ、先輩面白いですね。では、また」








その女は軽くお辞儀をして、背筋をピンと伸ばして歩いていった。









「かっる」


「おい、みなみ。やきもちか?」


「誰にだよボケ」






上田は真緒を好きだと思う。でも、他の女に目移りするのはいつものこと。

上田は自分の中で次々に変動する好みの女のランキング1位に恋をする。それが理由で特定の彼女が出来ないし、出来ても長続きしない。